映画情報  

「脳内ポイズンベリー」と「インサイドヘッド」

「脳内ポイズンベリー」  2015年5月公開
ストーリー:真木よう子扮する優柔不断なアラサー女が若い男に一目惚れして、それを脳内にいる理性や衝動など(西島秀俊、神木髞V介、吉田羊など)のメンバーがどうしようかと会議をするラブコメディ。

「インサイドヘッド」 2015年7月公開
ストーリー:ディズニーのアニメ映画。遠い町へ引っ越しした少女がさみしさから気持ちが落ち込み、脳内の記憶や感情という建物が壊れていく。脳内にいる喜びや悲しみというメンバーがそれを立て直そうと脳内を駆け巡り奮闘する。
脳の中の思考を擬人化したよくあるパターンの話ではあるが、ほぼ同時期に公開されたのは偶然とはいえおもしろい。脳内ポイズンベリーは見方によっては単なる恋愛物であるが、インサイドヘッドはアニメである分脳内がダイナミックに描かれており充分楽しめる。



「ジュラシックワールド」と「ジュラシックアイランド」

「ジュラシックワールド」 2015年8月公開
スピルバーグ監督ユニバーサル映画制作の大ヒット作ジュラシックパーク以降正統の第四作です。
ストーリー:ジュラシックパークは今や巨大テーマパークとなって園内を自走式の乗り物で見物できるようになっている。一方園では知能の高い小型恐竜を遺伝子操作でつくりだし調教している。そんな中凶暴なティラノサウルスが脱走して園内で行方不明になった二人の少年に危機が迫る。小型恐竜も現れて両親は二人の少年を助け出すことができるのか。

「ジュラシックアイランド」 2015年4月公開
ストーリー:祖母の家で見つけた不思議な水晶のパワーに導かれ少年は時空を越えた謎の島にタイムスリップする。
そこはいろいろな時代から様々なものが吸い込まれて、少年は恐竜に襲われるがひとりの少女に救われる。二人は水晶のパワーで元の世界に戻れることを知り、巨大水晶のある場所へと向かうが恐竜の襲撃を逃れて無事帰還することができるだろうか。
ほぼ同時期に公開されているが、当然ながらジュラシックアイランドは知名度が低い。DVDを借りるときは間違えないように気をつけねばいけない。ジュラシックワールドは誰が見てもある程度おもしろいが、ジュラシックアイランドは評価が分かれるもしれない。ただジュラシックアイランドの恐竜は羽毛あり色も付いているのは最新の知見によるものだろう。
恐竜は子供に人気があり各地の博物館や科学館で恐竜博や古生物展がよく開かれています。基本的に骨格模型が多いのですが、以前飯田市美術博物館に行ったときは張りぼてでしたが巨大な恐竜の模型がありその立体感に迫力(残念ながら写真がありませんが、子供なら泣き出しそうです)を感じました。



「西遊記はじまりのはじまり」と「モンキーマジック孫悟空誕生」

「西遊記はじまりのはじまり」 2014年11月公開
少林サッカー、カンフーハッスルを手がけた監督の作品と聞けば想像がつくかもしれないが、奇想天外なストーリーと驚嘆の映像がすばらしい。
ストーリー:玄奘(後の三蔵法師)はさえない妖怪ハンターであった。彼を慕う美人妖怪ハンターやそのライバル達(ユニークなキャラ揃い)が怪魚(沙悟浄)やイケメンの猪(猪八戒)を退治していく。玄奘は洞窟に閉じ込められたずるがしこい老人(孫悟空)にだまされて解放してしまうと、老人は巨大な猿に変身して大暴れする。玄奘達の運命は?

「モンキーマジック孫悟空誕生」 2015年5月公開
こちらも天竺へ旅立つ前のお話で、孫悟空と天界軍との戦いのカンフーアクションが迫力満点である。しかし悟空の顔が妙にかわいらしい。
ストーリー:牛魔王は天帝に戦いを挑むが敗れて火?山に追放されてしまう。その頃偶然石から生まれた孫悟空は仙人から術を習うが天界といざこざを起こしてしまう。そんな悟空を利用して牛魔王は天界に復讐を企て天界との壮絶なバトルが始まる。



はまった映画 「鴨川ホルモー」

「鴨川ホルモー」 2009年4月公開
万城目学のデビュー作を映画化した青春怪奇コメディー。京都大学に入学した安倍(山田孝之)はひょんなことから怪しげなサークルに入ってしまい小鬼を操り戦わせるホルモーというゲームをすることになる。京都の4大学で行われるホルモー合戦で友人の高村(濱田岳)の醜態により惨敗してしまいサークル内で対立が生じ紅白戦で決着をつけることになったが、それが原因で魑魅魍魎が現れ始めた。安倍は無事にホルモーを終えることができるのか。
山田孝之はどんな役でも演じることができるし、濱田岳のとぼけた味と主人公に思いを寄せる楠木(栗山千明)のオタク女子ぶりがおかしい。
この手の映画は好き嫌いが分かれると思う。こういう設定が受け入れられない人には「なにこれ!」という感じだろう。あいにくと私はこういう感じが大好きなのではまってしまった。それと私は工学系の大学だったので学年に女子が2名しかいなくて女性と話すのが苦手だった。なのでこういう男女交際にあこがれてしまう。
万城目学の第2作目は「鹿男あをによし」で玉木宏、綾瀬はるか、多部未華子でテレビドラマ化されヒットした。
いづれも原作を読んだが「鴨川ホルモー」はほぼ原作通りで、「鹿男あをによし」は綾瀬はるかの役はなかった。
万城目学の作品では他に「プリンセス・トヨトミ」と「偉大なる、しゅららぼん」が映画化されている。映像化しやすい作家なのであろうか。



惑星がらみの映画 「オデッセイ」と「ジュピター」

「オデッセイ」 2016年2月公開
火星にひとり取り残された宇宙飛行士のサバイバル生活。
監督は「エイリアン」のリドリー・スコット、主演がマット・デイモンです。
原作は「火星の人」という題名であるが、なぜ「オデッセイ」なのか。
ストーリー:火星に到着した調査隊は砂嵐にあい地球に帰還するが、ひとり火星に置き去りにされてしまう。
救助隊が来るのは何年か先でそれまで水や空気、食料は保たない。そこで彼は水を合成し植物を育てて通信機能を回復させ地球と交信して救助が来るまで生き延びようと努力する。
しかし火星の過酷な環境がさらに追い打ちをかけ地球の救助隊にもトラブルが襲いかかる。無事に帰還することができるのか。
この映画では火星でのサバイバル生活を科学的に描いており、ひとりの火星人も変な生物も出てこないリアルな物語になっている。
火星を舞台にした映画として、「トータル・リコール」、「レッド・プラネット」、「ジョン・カーター」、「テラ・フォーマーズ」などがある。
「ジュピター」 2015年3月公開
監督は「マトリックス」のウォシャウスキー姉弟。
ストーリー:映画の題名「ジュピター」は実は主人公の女性の名前。ジュピターはあるとき暗殺されようとしたが間一髪傭兵のケインに助け出される。
地球を含めた宇宙は王朝によって支配されおり、ジュピターは王族の後継者であり相続争いで命を狙われていた。
やがてジュピターは木星にある宮殿で王位継承の儀式に臨むが、敵はそれを阻止しようと最して戦闘が始まる。
木星に宇宙船で進入していくシーンやケインが重力ブーツで飛び回りながら戦う場面の映像はすばらしい。ただ「マトリックス」のようなユニークな物語性はない。
木星を舞台とした映画は少なく、「2001年宇宙の旅」、「さよならジュピター」などである。
火星と木星について少し解説します。
火星の直径は地球の約1/2、質量は約1/10、重力は約2/5です。
表面温度は −140〜−60℃、大気はおもに二酸化炭素で気圧は6〜9hPaです。
1日は24時間37分で687日かけて太陽を一周しています。
火星には山も渓谷もあり、中でもオリンポス山は約27000mの高さです。またマリネリス大峡谷は幅約100km、深さ約7kmで約4000kmも続いているそうです。
火星にコロニーを建設する「マーズワン」計画というものがあります。
最初火星への移住者を募ったところ20万人が集まりました。現時点では100人に絞られているそうです。2025年から移住を始める予定になっています。
片道切符なのでずっと火星で暮らすことになります。かってヨーロッパからアメリカ大陸に渡ってアメリカ合衆国を築いた人々のようにいつの日か火星国が建国されるのでしょうか、見てみたいものです。
木星の直径は地球の約11倍、質量は約318倍、重力は約2/5です。
表面温度は −144℃、大気は水素とヘリウムで気圧は0.7気圧です。
1日は9時間56分で11.9年かけて太陽を一周しています。
木星表面には直径が地球の2倍もある大赤班とよばれる巨大な大気の渦巻きがあり、大気は秒速50〜150mで流れているそうです。



ロボット映画  「チャッピー」と「ロボット」

「チャッピー」 2015年5月公開
ストーリー:ロボット開発者は警察ロボットに人工知能を搭載しようとしていたが、ギャングに奪われてしまう。
生まれ変わったロボットは「チャッピー」と名付けられてギャングに育てられる。
チャッピーは悪事を教えられるがうまくいかず悩んでしまう。
そんなときチャッピーを敵視する科学者は彼らを亡き者にしようと巨大ロボットで襲撃してくる。
チャッピーの運命は?
X-MENのヒュー・ジャックマンが悪役で出演している。
「ロボット」 2012年6月公開
ストーリー:博士は自分そっくりのロボットの製作に成功した。
ロボットは博士の手助けをして働き、やがて心が芽生え博士の恋人に横恋慕するが断られ解体されてしまう。
しかし復活したロボットは自分そっくりのロボットを100体作りボスとなって恋人を誘拐してしまう。
博士は恋人を助け出すことができるのか?
100体のロボットが様々な形に合体して襲いかかってくるシーンは斬新だ。
またインドの映画におきまりの歌とダンスが劇中に挿入されている。
両映画に共通するテーマとして、ロボットは心を持つことができるのか、もし心があるとしたら人間はどのようにロボットと共存していけるのか、人工知能が話題となっている昨今ちょっと気になりました。
さてロボットといえば鉄腕アトムと鉄人28号が思い出されます。
鉄腕アトムはご存じ手塚治虫原作で月刊漫画雑誌「少年」に1952〜1968年まで連載、第1回TVアニメは1963〜1966年」まで放映されました。
一方鉄人28号は横山光輝原作で同じく「少年」に1956〜1966年まで連載、第1回TVアニメは1963〜1966年」まで放映されました。
当時わたしは小学生で毎月発売日(1日だったかな?)には親からもらった小遣い(600円)を手に持って本屋(雑誌は200円位だった)へ買いに走った記憶があります。
鉄腕アトムは人工頭脳をつんだ正義のロボット、鉄人28号はリモコンで動くまったく無脳のロボットと対照的です。



「タイムマシン」

「タイムマシン」 1959年公開 アメリカ
ストーリー:主演ロッド・テイラー、内容はほぼ原作に近い。温室に置かれたタイムマシンで主人公が時間航行するシーンはまわりの風景の移り変わりとショウウィンドウのマネキンの服装が替わっていくことで表現している。
途中でタイムマシンを止めて地上に降りるエピソードが盛り込まれている。
昔映画館で見たときには地球の終末の時代へ行くシーンがあったような気がしたが、DVDではなくなっていたが記憶違いだろうか。

「タイムマシン」 リメイク版 2002年公開 アメリカ
ストーリー:主演ガイ・ピアース、内容はやや異なっており恋人を死の運命から救うためにタイムマシンを発明し未来に答えを求めに行く。
温室から時間航行するシーンは似ているがコンピュータグラフィックでさらに精緻になっている。
途中でタイムマシンを止めて地上に降りるエピソードでは図書館の人工知能ガイドが
登場し後の展開に関係してくる。
80万年後の世界の平和な種族エロイは未開人ぽくモーロックはさらに凶暴になりボスまで登場する。
主人公は6億年後に行くがそこもモーロックに支配されていたので80万年後の世界に戻りタイムマシンもろともモーロックの地下世界を破壊し新たに文明を築こうとする。
さて「時間とは何か」という問いは古来ギリシア時代から人々を悩ませてきました。
本当に時間は実在するのか、脳が作り出した幻想なのか。
時間はなぜ未来にしか流れない(エントロピー増大の法則による)のか、それとも過去も未来もなくただ今しかないのか。疑問は尽きません。果たして答えを見つけることはできるのでしょうか?